こけし他/黒川排除 (oldsoup)
 
す度夜空とぼくら拮抗し

くるみ割り人形地上戦闘用

朝日背に飛ぶ鳥であった火の玉を食らう

長い長い道だ雪原ごと巨大に踏みしめ

客人断る座布団の上に無常の石

影でなく日時計伸びて引火する

空き家軋む こけしの一心拍として

ぽつねんと立ち焦がれる鉄柱から音波

仮の姿で仮眠室から駆り出され

明かり消す
   寝るために
   廊下の
        奥へ

寝姿から暮れ始める水、ぬるくて

ダンス・ホールは無音 写本を左手に

クレヨンで描いた景色が現場になる

器避けてより深い器に落ち込むサラダ

伸び悩み橋であれば崩落し

海のきわまで二の腕のまろき肉声発す

濡れたコンクリの流動あの三日月を追って

車輪投げる突如窓から窓へ白い朝

分母さえ人妻とみれば弧をえがき

同様に後頭部を叩いて渡る
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