ナイーヴな歌・普通の歌(ジャクソン・ブラウンの歌に絡めて)/岡部淳太郎
 
かにいるかもしれない誰か、その人のために詩を書きつづけたい。僕の言葉が目的の対象に届くかどうか、それははなはだ心もとない。どうやって届けるか、それは今後の宿題にしてゆっくり考え、とりあえずいまは、詩を書きつづけたい。普通の人のために、どこかにいるだろう、無名の誰かのために。



 ジャクソン・ブラウンはその後発表したアルバム〈Running On Empty〉のラストに〈Stay〉という歌を入れている。ブラウンのオリジナル曲ではないが、あえてアルバムのラストという重要な位置にこの歌を収録したのは、彼自信の思いとシンクロするところがあるからなのかもしれない。彼はこう歌っている。


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