ナイーヴな歌・普通の歌(ジャクソン・ブラウンの歌に絡めて)/岡部淳太郎
 


みなさん、もうしばらくいてください
ぼくたちはもう少し演奏していたいんです
少しくらい時間をもらっても
プロモーターは気にしないでしょう
ユニオンだって許してくれるでしょう
だから時間なんか忘れてもう1曲うたいましょう

(〈Stay〉水木まり訳)


 過ぎ行く時間を惜しむかのように、ジャクソン・ブラウンはうたいつづける。自らの言葉が誰かの元へ届くことを願って。そう、歌はうたわれつづけなければならない。うたうことの出来ない、見えない普通の誰かのために。



(二〇〇五年十一月)
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