ナイーヴな歌・普通の歌(ジャクソン・ブラウンの歌に絡めて)/岡部淳太郎
したら僕に似ているかもしれない誰か。そんな人のために詩を書きたいと思ってきた。大げさな言い方をすれば、そんな人のために詩を書くことこそが、僕の使命だと思ってきた。甘い考えだと思われるかもしれないし、詩はそういうものじゃないと言われるかもしれない。しかし、僕の中にあったこの思いは、ずっと長く胸の中に留まりつづけたもので、それゆえにかなり強固なものとして、自分の中に定着してしまっている。
僕もまた、ナイーヴな感性を持っていて、この年でこんな純粋な奴いるかと、妙な自負を持っていたりする。それを武器にしたい。諸刃の剣であるかもしれないけれど、とりあえず自分の危険は顧みずに、詩を書きつづけたい。どこかに
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