ナイーヴな歌・普通の歌(ジャクソン・ブラウンの歌に絡めて)/岡部淳太郎
 
持しつつ、そのままで強く、成長した歌を、彼はうたうようになる。


ぼくはおめでたいばか者になって
せっせと稼ぎまくることにしよう
消費者の心や魂を狙って
広告が打たれ、あれこれと売り込んで来る世界で
そして金で買えるものなら何であれ
信じることにしよう
まことの愛こそがそんな考えを打ち負かしてくれると思っていたけれど

神様、そこにいらっしゃるのですか?
仮面を被って生きる者のために祈ってください
うんと若くして意気揚々と旅立ったのに
結局は降参するしかなかった者のために

(〈The Pretender〉中川五郎訳)


 一九七六年に発表された代表
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