ナイーヴな歌・普通の歌(ジャクソン・ブラウンの歌に絡めて)/岡部淳太郎
代表作のひとつ〈The Pretender〉のタイトル曲からの引用だが、ここにはもう、あのナイーヴなだけの青年はいない。現実をそのままそこにあるものとして受け入れる、そんな態度が表明されている。〈Solo Acoustic vol.1〉日本盤に付された解説には、ジャクソン・ブラウン本人の発言が紹介されている。
{引用=30歳を過ぎて数年後に自分の仕事の速度を変え始めた。息子が5歳になって学校に通い始めたので、3年ほどツアーをやめたし、ツアーをしても夏だけにするようにした。僕は変わったんだ。現実の生活を暮らさなくちゃいけなかった。いつも思っていた。人生について曲を書くなら、普通の人たちと同
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