ナイーヴな歌・普通の歌(ジャクソン・ブラウンの歌に絡めて)/岡部淳太郎
ー・アルバム〈Saturate Before Using〉に収められた〈A Child In These Hills〉で、彼はこううたっている。
僕はこの丘陵地に住む子供
遠く離れ、そして、たったひとりで
この丘に住み
命の水を探し
真の人生を見つけようとしている
(〈A Child In These Hills〉山本さゆり訳)
これは、若い時期に多くの者が抱く思いだろう。だが、あまりにもナイーヴすぎるし、そのことが決定的な弱点にもなっている。
しかし、その後ブラウンの歌は、ただナイーヴなだけの歌から脱却する。ナイーヴであること、純粋であることを保持し
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