猫を轢く/チアーヌ
 
手く思い出せません。
しばらくすると猫は死んで、わたしは畑のサトイモの葉の茂みの中に猫を隠し、えーんえーん泣きながら家に走って帰りました。今思うと中学生なのに子供っぽいですね。
家に帰ると、すぐに母親に報告しました。
わたしはどんなことでも母親に報告する素直な子供だったのです。
すると母親は、
「そうか。それは良いことをしたね。猫もうれしかったと思うよ。でもね、チアーヌちゃんは変なところで優しいから、その猫はここまでついてきてしまったかもしれない。お母さんが猫に帰りなさいといってあげるから、もうその猫のことは忘れなさい」
わたしはなんとなく安心して、ご飯を食べてお風呂に入って寝たのでし
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