尾崎喜八「山の絵本」を読む/渡邉建志
 
野球のグローブの持ち方で、プロの選手はグローブから中指を出したりするのだが、「あれはよくない、あれはプロ選手の悪い癖だ、あれはまねしちゃいけません」と長嶋茂雄が子供のための野球の本で一生懸命語っていたのを思い出した。僕はその本で野球のやり方を学んだので、勝手にいわば長嶋茂雄の弟子のつもりなのであった。しかし、長嶋自身が実はグローブから中指を出すのが癖だったとは、知るよしもなかったのである。まあ、私は根っからの阪神ファンだったんだけどね。僕の神は代打の金森選手でした!

さて、頑固な喜八さんですが、このあとの展開がちょっと泣けるのです。こんどはまた別の映画の会に喜八さんは行ったのです。「春の守門
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