尾崎喜八「山の絵本」を読む/渡邉建志
できる素材です。さて、それは一篇の詩、一幅の絵の好箇の主題、などと、「草枕」の主人公みたいなことを言っています。続き。
「お昼頃にはあすこへ立って手を振りますよ」と私がいえば、娘はちょっと山頂を見てほほえんだ。
人は美なりとはやせども、
わが美わしきを我は知らず、
自然のごとく我はただ在り。
幼い、犯しがたい貞潔が、そう答えているように私には思われた。
勢い余って、喜八さん、ついに詩を書いちゃいました。すばらしいですね。こういう女性こそ私の理想でございます(ロリコンとかいうな)。これはまた、高村光太郎における智恵子と同じような、現代では
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