小詩集「書置き」(九十一〜一〇〇)/たもつ
 
気がつかないので
いつまでたっても鳥はいない
何故こんな仕打ちをしてきたのだろう
そろそろ気がついても
良いころかもしれない
そう思うと
鳥かごの中には自分がいる

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朝から君の背中が
海になってる
掻いてあげると
さざ波が立って
指先が塩味の濡れ方をする
肩甲骨のあたりには
美しい砂浜が広がり
僕が僕の形をしたまま
打ち上げられているのがわかる
気持ちいい?
我ながら馬鹿なことを訊いたと思ったが
気持ちいい
と君は僕の知っている言葉で言った

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人が書置きをしているとき
僕は眠っている
僕が書置きをし始めると
人はどこに行ってしま
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