夜警/MOJO
った。
作文が嫌だ、といったのはかつての私であるらしかった。はるか彼方の「将来」にたどり着くまでには、来年からは、とりあえずあの自転車の少年のように黒い学生服を着るのだ。そう思うと眩暈がしてくるようだった。
「まてよ、小学生の抱く感慨にしては、妙に可愛げ気がないぞ」
疑念が生じたと同時に目が覚めた。
異形たちはもう姿を消していた。喉が渇いているが、身体が鉛のように重く、起き上がり台所まで行く気にはなれない。時計を見ると、そろそろ雀が鳴きだす時間だ。私はしばらく暗い天井を見上げていたが、染みが何かに化けることはなかった。
「シュリム、シュリム…シュリム」
手足が弛緩して重い
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