ある旅立ち/MOJO
ういうの、よくでるの?」
「ネリオくん、こういうの、とか、でる、とかはちょっと失礼よ」
「そうかな。なんか怒ってるみたいだけど」
「デリカシーがないことを言うからよ。このあいだ、クマ郎さんのグラスが鳴ったときにも別の妖精さんが現われたけど。クマ郎さんはもっと紳士的だったわよ」
ネリオは何かを思いだしたように呟いた。
「クマ郎さんか。あの人最近痩せたよね。きみ、どっからきたの?」
ネリオが妖精に尋ねる。
「あなたに言っても分らないところからよ」
妖精は素っ気無い返事を返した。
「ねえ、きみってあのティンカーベルと友達? ほらピーターパンと一緒にネバーランドに飛んでいった」
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)