明日のアタシはどんな色/たにがわR
 
売りの部分もあって、アザレの空想はさらにタイムマシンの作成のために、時間を貯める銀行みたいなものがあるんだという主張に飛躍していた。
 いつものごとく終わりはあまり覚えていないが、確か貯めた時間で小さい頃に亡くなったお母さんに会いに行くんだみたいな話になっていた気がする。そんなSFチックなことはアザレの空想の中でしか起こらないよ、なんてそう思っていた……

 まさか本当に起こるとは。

 最初にニュースの速報で見たときは、たわいの無いジョークだと思っていた。しかし発表からの時間の経過にともなって、事態の大きさがわかってくる。会う人、会う人が深刻な顔となって、「どうしよう」という言葉を代弁
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