明日のアタシはどんな色/たにがわR
 
を思い出した。それは「折りたくない日」だったのだ。アザレの気持ちを代弁してる紫の紙。それ以来、あまり折り紙の意味を聞かなくなったが、長い付き合いでなんとなくその色で、その形だと、そういう感じかな、と彼女の気持ちがわかるようにもなっている。
 鶴を棚に片付けて、アザレがイスから飛び降りるように立ち上がった。
「じゃ、明日の朝ごはんはどうする?」
「明日、金曜日なんで、ちょっと会議が立て込んでいるんだ。土日をしっかり休みたいって会社でありがたいけど。だからはやく出なきゃいけないんで、俺はいいや。」
「仕事もしないといけないしね」
「あ、仕事か……」
「今、言ったばっかりじゃない」
ほんの
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