明日のアタシはどんな色/たにがわR
 
んの数分で、早く寝てしまいたい気持ちのほうが強くなっていた。彼女はそんな気持ちを見透かしているようだ。
「やっぱり残っている仕事は明日の朝にやろうかな……だから、いつもより早く行くし、ご飯はいいよ」
「そう、明日やれることはやっぱり明日に回しちゃうのね」
アザレが少し笑う。今日出来ることは今日やった方が良いよとよく言われているのだが、いつもやろうという直前で日和ってしまう。彼女は今日やるべきことを今日やってしまうタイプだ。一息おいて、アザレはゆっくりと言葉を続ける。
「おやすみなさい」
「おやすみ」 
 タン、タン、タン…スリッパの音を鳴らしながらアザレは寝室のある二階にあがっていく。
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