明日のアタシはどんな色/たにがわR
 
たく認識されなかった。
 六歳だけの年の差は、そういうことでも感じる。
 ダイニングにある少し大きめなカラーボックスには、この十年ずっと折られていた鶴がある。羽根には小さく日付が書かれていて、きちんと時系列にならんでいる。白色が何日も続いていたり、もう鶴とはいえない崩れた形のものが突然出てきたり、確かにその鶴たちは、本人ではない僕にとっても何かを語っている。
 もはや折ることをあきらめている鶴もあって、「これは? 」と聞いたことがある。
 そうするとアザレは、立て板に水を流すように、さらにまくしたてて話し始めた。
 
 そうか、その日か、と。
 
 僕は一度だけしてしまった浮気を思
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