明日のアタシはどんな色/たにがわR
り紙の鶴のほうがその日のことを良くあらわしているのだそうだ。調子の良いときには明るい色で、折り目もきれいな鶴ができるし、悪いときには、暗めの色になる。
もう何も考えたくないなんてときには、真っ白な紙で鶴が折られて、折り目もまっすぐとはなっていない。
彼女によると、大切なのはその形ではなくて、その折っているときの気持ちが指の感触で覚えていることだそうだ。すぐに思いだすことができる補助的な役割を折り紙の鶴が果たしている。だから別に鶴でなくても、折り紙じゃなくてもいい。きっとリリアンでもいいのだろう。
アザレにリリアンを話したら、「?」とおでこに浮かぶような表情をされたが……
まったく
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