明日のアタシはどんな色/たにがわR
色みたいにさわやかだとか、そういう主張している色が嫌なのよ。赤と青だけが、主張しているようで何も主張していないのよ。だから良いの。明日の私は何も主張していない私で居なきゃいけないのよ。自然とね」
アザレの目から涙が一滴降りる。語尾が少しぐずりはじめた。
「ふぅぅぅ」
アザレは息を吐いて、そして赤い色紙を手にとって、鶴を折り始める。
「青はアタシすぎるわ」
そう呟いて、いつもよりも丁寧に、ゆっくりとした手つきでしっかりと鶴を折っていく。なんだかそれは、色紙に対して、その向こうにある何かに対して申し訳ないと感じているような折り方だった。ピッと最後に首を折り、羽に明日の日付を書いた。そうして白
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