明日のアタシはどんな色/たにがわR
て白い鶴の次に紐にくくられる赤い鶴。綺麗に折り目がついた白と赤。
「うん、良いんじゃない? 」
アザレの涙はもう止まっていて、表情が柔らかくなる。
「そうだね」
ピンポーン、ドアのチャイムが鳴った。
「おまたせしました〜藪蕎麦でぇっす」
出前が届いたようだ。玄関まで取りに行ってお金をはらう。オカモチを運んで食卓に置き、僕とアザレの分を出す。
「あれ?何でお味噌汁、赤だしなの?今日は白の気分だったのに」
「え?」
「あきらめの気分よ」
アザレがちょっと笑って、明日の晩餐が始まった。
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