明日のアタシはどんな色/たにがわR
突っかかるような口調であたる。良く分からない現象に巻き込まれて、事象を理解して前に進もうというアザレにとっては、かなりストレスを感じているみたいだ。別に俺だって、全部を明日に回しているわけじゃない、と反論をしたかったが、色紙の前でまったく動かないアザレを見ながら言葉を出せなかった。
「黄色でもないのよ。三原色の中で一番嫌いな色だわ。黄色とか緑とかは自己主張が無いようで、いろんなことを主張しているのよ。私って良い人でしょみたいな、偽善の色だわ」
黙っている僕を気にせず、アザレが一気に話し始めた。
「オレンジみたいなあったかい色とか、ピンクみたいな『私は、おんなのこーです』みたいな色とか、水色み
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