セカチューのリアル<村上春樹/セカチュー/となり町戦争>とランボーの埋葬:切り貼り/がらんどう
れすぎるくらい語られたので、もう繰り返すことはしない。(ひとつだけ付け加えるならば、テロリズムはスペクタクルによって自らの力を最大化させる。視覚メディアと密接に結びついている点で、テロはまさに20世紀的である。そしてハート=ネグリが批判するように、それはデモなどの非暴力直接行動においても同様である。それは自らを「被害者」としてメディアに表出させることで力を得る。)
そしてまた、86年〜92年といえば、オタクの時代でもある。セカチューの世界にはヤンキーもオタクもいないというのは、あの時代の地方都市のリアリティとしては明らかな嘘である。1983年には「オタク」という語が中森明夫「おたくの研究」に
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