*へんしんトウ*/かおる
いが うぶ声をあげた
すすむべき まっすぐな みちを見つけた
運命の前髪を ガッチリ掴んで
走馬灯のように 飛び去って行く風景
どこまでも いつまでも つづく夢をみた
たなごころに ちっぽけで 臆病な冒険心が残った
まがりくねったみちで きっと 迷ったのだろうか
うねうねと続く トンネルを抜け
こごえそうな 孤独な吐息をつく
あぁ このみちは いつか来た
ふりあおぐと 青白い 真昼の半月が
すみきった 空に うかんでいた
路傍の くさばなに紛れ
ながれていく風に 身を任せ
晴れやかに佇む 自分がいた
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