終わりのない唄 -the reverse side-(novel) /とうどうせいら
 
、面食らった。四ヶ月ぶりに会ったと思ったらこの発言……。また、いつもの悪戯なの?
彼は、優しく微笑んでいた。でもなんか……。
「そっか…」

わたしはまっすぐに彼を見る。
少し痩せた。穏やかだけど、疲れた顔、してる。それを言うために、電車乗り継いで来たのかな。どうしてか淋しそうに見える。
この国は駄目っていうことば、は、とても軽くて。夢みたいだ。そのことばを言った彼がここにいることも、夢みたいだ。
でも彼はここにいた。革靴に浜辺の砂がいっぱいついていた。潮の香りがした。
微かに、汗の臭いがする。

来てくれた。なにか想いを持って、来てくれた。

そしてゆっくりとわたしは目を
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