小詩集「書置き」(六十一〜七十)/たもつ
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夕べ着ていたパジャマと
同じ色をした霊柩車がゆっくりと走り
そのうしろを枕と同じ姿の人たちが
僕の遺影をもってついて行く
これは夢なのだ
すぐにわかりはしたが
夢から覚める方法を思い出せないまま
最後尾に並ぶ
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長い廊下の一番奥では
補欠部員の僕が
練習をしています
足と耳のバランスが悪く
あとは残りの
手と声も
まだなれてません
もうひとつの一番奥では
レギュラーたちが
乗り物から降りるのが見えます
彼らはすっかりなれていて
その悲しみも
背負っているかのようでした
顧問の号令にあわせて
いっせいに瞬きをしています
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