孤狸庵先生の面影を探しに 〜‘04 8月 Poete on the Road 旅行記より〜/服部 剛
?」
とにやけてみた。空腹を感じていたので、駅前の飲食店
街に入り、そば屋で天せいろを食べた。美味しいそばを
すすりながら、なんだかとても寂しい気持に覆われた。
「今回はいい旅をしているけれど、やはり胸には拭(ぬぐ)い
きれないものがある。」ということを感じた。
店内のテレビには、僕がいる夙川からそう遠くない場
所で行われている夏の甲子園大会が映り、勝利した高校
の坊主頭の選手達がグランドに横一列に並び、大きく口
を開けて校歌を歌っていた。画面には「胸を張れ、真理
を究(きわ)める為に」という校歌の歌詞が白い文字で映されて
いた。
寂しくそばをすする僕
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