詩の立ち上がる瞬間/栗田小雪の日記を読む/山田せばすちゃん
 
をする、おそらくは横田舞が最も都会的であると感じる都市の片隅のアンダーグラウンドな空間へと幻視は展開していくのだけれど、使われる言葉が過不足なく幻視空間の立ち上げに機能している気がして心地よい。

その幻視を破るのは

聞いているよ、聞いてるよ
でも、そんなんないよ、おれ。
きっと、今日すごく暑いから
そう見えるだけだよ
しっかりしろよ
おれ、ちゃんと好きだからな
だからお前、しっかりしろよ
そうだ、冷蔵庫にコーラ入ってるから
それで頭冷やせよ、な

という入れ墨の持ち主「たくちゃん」の台詞で、それがこの詩を締めくくっている。
「冷蔵庫にコーラ」おそらくは一人暮らしの
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