沈黙と怒り/小林レント讃4/渡邉建志
 
。侵入してきて以下繰り返される強迫観念的な歌:(指輪を盗め。永遠に。指輪を盗め)。

しかしふと挿入される例の幼い口ぶり

 その夜、彼女の舌はなめらかすぎて、
  僕の手を滑り落ちた。
  ねえ、「何も心配はいらない」よ。
    君は確か昨日、そういっていたもの。)

なめらかすぎる舌が手を滑り落ちるというこの表現はぞくっとします。ここは好きです。次にまた幼い口ぶり(≒歌)に代わって現われるビート。どどずー。しかしそのつぎにまた歌というかナレーションというかが現われる。
{引用=
キッチンに、脳がおいてあった。
まな板の上に、脳が正座して、考えていた。
夜です。
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