ある15歳の経路/小林レント讃1/渡邉建志
すが、徹底した75調は単調でばかげたものになりやすいが、ここではその徹底が人の笑うことを許さないだろう。「その感情の すぐそばを」 このsの頭韻的連続は気合から発したものではないか、と軽口を叩いてしまう。
■冷たい浮遊 http://www.rondz.com/poem/poet/6/pslg5502.html#5502
ここでも75調が貫かれていく。そしてくりかえしによる歌がある。それらのゆりかごに揺られているうちに、ふとした落とし穴が控えている(一つ 寒天質の冷たい音が/香った)。落とし穴の底から霧が発生してくる。その霧の解釈はもはや読者にゆだねられている(その濃さ、その時
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