ある15歳の経路/小林レント讃1/渡邉建志
 
/poet/6/pslg5394.html#5394 結末


その光から逃れるように
一匹の蜘蛛が 這っている
一つの秘密の 隠蔽者
注意深げに 這っている

ベッドシーツの青の上
その感情の すぐそばを


スペースが拍を打つ。そこにあるのは中也的75調であったとしても、その内容はもうちょっと神経繊維のような匂いがする。この最後のとことん徹底した75調、その徹底こそが重要なのだ、徹底してこそ読者を振り払うことができる。先を悟られてはならないのだから。読むほうも精一杯ついていこうとするときに、詩人の新しい感性に触れることができるのかもしれないのだから。繰り返すが
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