ある15歳の経路/小林レント讃1/渡邉建志
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「夜の底を這ってゆ」き、「高い所」へ登ろうとして、失敗して「ぺちゃっ といやな音をたてて」いるのは、「僕の魂」である。魂という触ることのできないはずのものが、こうやって形を与えられて運動しているようす。そしてそいつはぺちゃっ といういやな音をたてるということ。臆病で、壊れやすいということ。一つの自虐的なイメージ。こうやって自分のある特殊な部分、マインドやソウルに関わる部分を一人歩きさせて、それをもう一つ、自分を見つめる目が、見つめている。それはユーモアではあるけれども、のんきに笑っていられない。例えば「コイビトノカゲ(戦闘)」の脳もそのような一見可愛らしい存在であるが…これはまた後の
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