飛光/ワタナbシンゴ
 

しの気配に満たされるとき、地球の裏では月が欠け
はじめる合図です。ここはいったいどこなのでしょ
うか。わたしはいったい誰なのでしょうか。そんな
呪文を口々に唱えながら、たくさんの人々が両手に
花をたずさえ、スカートもはかずにお尻を突き出し
ています。でも男や女たちはみな一様に花に、白い
液体をやっているようでした。空に樹々は深くたち
こめ、呼吸は雲を狩り、願うまでもなくみんな、こ
の地に降る雨のことを想い泣くのでした。こんなに
も、こんなにも。そうです、ここが最果てなのです。
 
 
 
 
おぎゃあ           
 
 
 
 
国土地理院に勤めて
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