組詩「二宮」/岡部淳太郎
 
って、それをパズルのように組み合わせて体育館に飾った。言ってみれば卒業制作の一種、または、卒業生からの置き土産のようなものであろう。

「この小さな山」

この章に出て来る山は、前述の吾妻山のことである。

「役場の前のきつい坂」

二宮町役場は吾妻山の麓にあり、駅の方から役場に行くには、少しきつめの登り坂を行かなくてはならない。

「無数の振袖が」

前述の日本武尊の伝説による。

「かつてこの町のすべてが水の下にあった」

二宮町が古代において海の底にあったことは、発掘された貝殻などからほぼ確実なようである。

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「いまここ から/どこでもない場所へ
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