組詩「二宮」/岡部淳太郎
ら、力を行使することに躍起となり、
ある者は、早過ぎる性の中で、愛しいと思いこんでいた者と意味ありげに指を絡め合いながら、当然の速度でまだ目醒めていない者の前で勝ち誇った笑みを見せ、
ある者は、無邪気な彷徨の中で、自らが放ちつつある芳香に気づかずに、知らずに他の者を傷つけ、後になってもそれを知ることはなく、
ある者は、目的のないことを、その甘い倦怠とともに静かに受け入れては、焦って目的を探しにあらぬ方に走り出す者たちを眠たげな眼差しで眺め、
ある者らは、現在に汗を滴らす者たちから離れて、二階の図書室のバルコニーから、帰ってゆく人びとと沈んでゆく夕陽を語る話題もなく見つめ
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