象さんの宝物(童話)/炭本 樹宏
 
した。そこは恐ろしい鬼が住んでいるので誰も近づけない場所でした。お父さん象はすぐにその場所こそ宝物を隠すのにふさわしい場所だと神様が教えてくれたのだとわかりました。

 鬼が住んでいるので誰も近づけませんでしたが、お父さん象は何も恐れることなく深い森の中に進み入りました。深く進んでいくとまもなく鬼達が目の前に現れました。

 鬼達は恐ろしい姿をしていて、お父さん象をかこみ「何をしにきたっ?」と凄みました。お父さん象は神様を信じていたので堂々と「私達家族の大切な宝物を隠すのに素晴らしい場所があると神様に教えてもらって、その場所に行くところです」と言い放ちました。
 
 すると、鬼達は少し
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