見えていてすでに海は/藤原 実
(***注)
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なんて言って死んでいったやつがいたっけ。でもオレのコトバじゃ墓石にもなりゃしない。せめて他人のコトバにでも包まれて死んでゆこう。
意を決した<詩人>は目を瞑って海に身を投げた。ところが・・・。
「痛い!ウウ・・・どういうことだ(あたりを見回して)おお、海がなくなっている。一面の砂漠になっている!」
海よりの風に燭の火蒼く揺るウィリアム・ウィルソンか君と吾は
それから幾日、幾週間たったろうか。<明海>は船長室で航海日誌を書き終えて眠りにつこうとしていた。船はすでにその大半を砂のなかに埋もれさせようとしていた。私はい
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