ラッシュアワー/藤原 実
。従僕はそのうしろにまわって背中を足蹴にする。あっ、といいながら、鏡のなかに落ち込む主人)
従僕(先の主人)だった男 「おっ・・・、ばかなやつ!(鏡のなかから、うらめしそうな目で見ている<主人(先の従僕)だった男>にむかって)これからはオレがずっと主人を演じさせてもらうよ。まあ、ときどきは鏡ものぞいてやるからよ(といって鏡の前から去ろうとするが足が動かない)あっ、どうしたことだ!」
主人(先の従僕)だった男 「ばかなやつ・・・。おまえはおれといっしょに自分自身をとじこめてしまったのだ。鏡よ鏡、この世でいちばんえらいのはだあれ?」
(主人(先の従僕)だった男 と 従僕(先の主人)だった男 に
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