霧の様な死あるいはナルシシズムについて/立原道造を読む/渡邉建志
あ。空から花を撒き散らす少女の天使ですよ、少女の天使。花を撒き散らすんですよ。その掌が「雲のやうにやはらかに」ですよ。めっちゃやわらかい掌なわけですよ。それが空から覗いてるんですよ、しかもそれを見ているのは「おまへ」と「僕」の恋人同士ですよ!しかも凭れあって「うつとり」してるんですよ。ヨン様ワールド!
そして、
ふたりは
やさしい樹木のやうに腕をからませ をののいてゐた
をののいているのです。読んでいるこちらの心も思わずをののいてしまいますよね。そうですよね。
三 窓下楽、について
いいや! あかりは僕のそばにゐた
いいや!とか一人で話
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