霧の様な死あるいはナルシシズムについて/立原道造を読む/渡邉建志
の歌 (冒頭)
雨に濡れて立つてゐる あれは人だ
あれはかなしんでゐるが出たらめだ
かとおもうとこんな詩も書くのだ。すごい言葉のつながりですね二行目。こりゃ悲しんでいる側としてはやりきれないよね。出たらめって言われた日にゃね。こりゃおもしろい。今後使っていきたい。
■季節 (全文)
春になると
人はおもてに出る
荒れた芝生にまりを投げ
犬とあそぶ
いいにほひがする
夜になると
あかりをつけてはなしする
靄がおりたといひ
しづかに本を読むことがある
最終行に惹かれますね。そこまで前振りしといて、「本を読むことがある」です
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