霧の様な死あるいはナルシシズムについて/立原道造を読む/渡邉建志
ように眼をさます」という眼のさまし方なんて、たまりませんね。日常会話に使いたいぐらいです。「オレ、寝覚めがいいんだ。鷗のように眼をさますぜ。」とかさ。あと、?の、消えた土曜日は気になって仕方ないですね。こういう体言止で名詞を並べる作風が特徴的です。?は美しい詩ですね。彼の特徴である繰り返しが歌を歌っています。「花がにほつてゐるやうだ/時計がうたつてゐるやうだ」 の、時計が歌うというのに惹かれました。?の、「お聞き――」はたまらないですね。やさしく恋人に言い聞かすようなこの口調。そして最後の、「いま羽ばたいてゐるのは/あれは あれはうそなのだよ」 この文体は、ときに見かけて美しいなあ、
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(13)