アクロバティックな午後/合耕氏の作品について/渡邉建志
って誘うのか、なんで電車なのか、そのへんをぜんぶほおっておいてあるのが素晴らしい。こうした論理的な穴を埋めさせることによって読者参加を余儀なくさせること。そしてそこから各読者が創造する「誘い方」のスペクトルはかなり広いはず。読者は自分の描いたイメージの愛らしさにやられるべきです。「あれは狐つき」って歌みたいでいいですね。決まってます。さて次の聯。
ビルの屋上に上り 糸電話をどこまでも伸ばそうとする
あれも狐つき
これも絵がすごい。糸電話のながい糸がたるんだりからまったり風が吹いたりで奮闘する狐つきの絵です。たぶん糸の持ち方は電車の窓から誘う長い紐の持ち方となにかしらの関係が
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