みずのきみへ/第2の地球
 
世界は みずでできていると 
きみは言ったけれど
肝心のきみも やっぱり みずでできていたのは
きみが死んで 五日経って ようやく思いだした

(そのとき みずが流れた)

深夜 人は大概 眠るけれど
独り死んだ みずのきみの為に 一晩中起きていた
月が左から右へ渡り 銭湯の煙突にかかり
あそこなら 
月に 既に 絶対に 届いているし
あそこなら 
誰や彼やがみんな 透き通っていたとしても いる気がした

(きみが 「ナガレルンダヨ」と言った言葉も 流れたのに)


月が左から右へ渡り 見えないところで 右から左へ渡る
左と右は 単純に つながっている 

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