冷たい朝がある/霜天
冷たい朝がある
それは今日も、昨日もでした
重ね着をする時間はどこに、あるでしょう
時計の、静かに通り過ぎる時計の裏を
揺らしてみても、なにも落ちてこないので
腕を組んで、息を吐きます
始まれない世界を、みんな見ている
その日の、目を閉じて眺めた夢の
絵にしてみればすべて違う
その奥は、ブルーでも
人は流されるものとして
人は流されるものとして
押していくものは何ですか、背中
緑色の交差点
電車を待つ駅のホーム
青の電車と黄色の電車が
寸前で混ざり合って
緑色になって滑り込んでくる
混ざり合うように繋がって、みんな
それでも流されて行きましょう
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