雑感&書評『テクスチュアル・ハラスメント』/佐々宝砂
る。比較検討してもらいたいのは、単純な数の問題ではない。
何言いたいかというとだね、つまり、私は、萩原朔太郎や大手拓次と同時代に生きた女性詩人を、金子みすゞと左川ちかの他に知らぬのである。まして、明治の女性詩人なんて、与謝野晶子のほかには一人も知らない(女性俳人女性歌人ならもっと数を挙げることができるけど、いま私が言ってるのは詩、特に新体詩の話)。しかし明治の男性詩人なら幾人も知っている。んーと、森鴎外、三木露風、蒲原有明、北村透谷、国木田独歩も詩人でいいかな、それから土井晩翠、島崎藤村、与謝野鉄幹、野口米次郎、まあこのへんにしとこう、まだたぶん名前を挙げられるけど。とにかく私、オトコの
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