僕の世界は海になって/石川和広
聞こえて
特別視もしなくて
かといって
目の端から切らないで
忙しい人たちの中で
僕はその他大勢で
僕みたいに見ている人もいるかもしれない
と思いながらも
奇声をはっしている人の目線の先は
たくさんの
百貨店の入り口を行き交う人で
それでもその人は
どこか僕がしらないものに
体をななめにして
はなしかけていて
それはなぜか
とても大切な
そして繰り返される
もので
そう感じた僕は差別者だろうか
どこまでもそうだとしても
こうして歩いていて
僕は
障害者になりたてで
まだ過渡的で
人生について
ふつうに考えるには
段差があって
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