「 湖面にて。 」/PULL.
けどさ。
じゃあ取ってくるよ。」
操縦室のアイスボックスに、
とっておきのバーボンが、
まだ残ってる。
「悪りいな。」
「頼んだ!。」
「愛してるよー。」
「足滑らせて落ちるなよー。」
「落ちるのはお前だよ。
くそ酔っぱらい!。」
背中越しに、
中指を立てると、
笑い声が聞こえた。
初秋の風が、
ひんやり頬を撫でる。
空には雲一つなくて、
まあるい月、
蒼く灯ってる。
いかれた仲間との乾杯には、
もってこいの夜。
ぱちゃん。
何かが、
湖面を叩くがした。
船から
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