早春歌/芳賀梨花子
 


通学路を歩く、歩く、歩く。

彼は雪の上を歩く、歩く、歩く。

春になって、早く春になればいい。そう思っていたけれど、だんだん、私の普段から彼らが遠のいていくようで、もしかしたら、いつか忘れてしまうのではないかと怖くなって、期末テストの前の日に上野駅から電車に飛び乗った。

湘南電車と同じ色の電車。ほんとうに彼らのところへ行けるのかな。駅弁を買うお金もなく、ましてやテニスシューズを履いた私が彼等のところへ行けるのかな。関東平野って広いんだな。車窓からうすらぼけた地平線。だんだん稜線になっていく。窓が曇る。高崎駅で乗り込んできた大学生風のグループ。スキーに行くのかな。だけど、私の隣
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