長い長い講堂の時間/うめバア
た
それでもいつかは順番が来るのだろうと
みんなが出ていった、あの扉を見つめながら
私はそこで待っていた
何百人もの人間がひしめきあい
好き勝手に笑ったり、ふざけていた
あの喧噪は、もはやどこにもなく
今はただ
時折、大きな講堂の屋根のきしむ音が
耳に響いてくるだけ
それでも、私はいつか自分の名前が
呼ばれることを信じるしかなく
もはや、他愛ない話をする相手さえいなくとも
はじめのころと、同じ表情を保つことで
もてあました時間を、なんとかつぶしている
みんな、どこへ行ってしまったんだろう
時間はまっすぐに流れ
もうすぐ、ここが終わりになることを
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