僕と息子のあいつのためのレクイエム/みもる
お前はなんて言うだろう
死ななきゃよかったと
悔やむだろうか
やっぱり死んでてよかったと
安心するだろうか
お前がいなくなってからというもの
ろくに涙を流した記憶がない
きっと年とともに
僕もあちこちガタがきている
でもなぜかお前のことだけは
しあわせになるたびに思い出すんだ
旧友と飲んでいる時
結婚した時
息子が生まれた時
そしてたった今―
お前は決して間違っちゃいない
お前は決して正しくはない
確かに
世の中いやになることばかりだよ
それでも
それでもさぁ
この大馬鹿野郎
息子にお
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