僕と息子のあいつのためのレクイエム/みもる
 
にお前の名前をつけようかと
一瞬血迷ったけれど
やっぱりやめた

お前に似られたんじゃ困る

代わりに
こんなクソ楽しい世の中を捨てた
お前がかわいそうだから

息子にお前と同じ
ピアノを習わせようと思ってる

いつか息子が弾く
でたらめな旋律が
僕からお前へのレクイエムだ

絶対音感のお前なら
きっと空の上にいても聞こえるだろう?

息子のピアノも
僕のすすり泣きも
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